風が抜ける

皇居丸の内のイチョウ並木が見頃。あとは晴天の青い空がやってくれば絵的にはばっちり。

今日は随分と冷え込み、自転車通勤路もぐっと身が引き締まる思いで。

身体が慣れていないものだから、寒さが余計に身に染みます。

でもまだ大丈夫。本格の寒さの中を自転車で滑走するときの、いかんともしがたい気合の入りを思い起こせば。

 

並木の先、視界の突端には東京駅の赤レンガ駅舎があります。

気付けば東京に住んで随分経つ。20年近くになるのではなかろうか。

東京とはなんだろうか。

急に浮かんだけれども、急だな。

「問題は正しく提起されたときに、それ自体が解決である」とは仏哲学者、アンリ・ベルクソンの言葉だが(最近知って使いたくなった)、「東京とはなんだろうか」と浮かんだのはいいが、その問い自体は正しく提起されたとは言えない。

 

丸の内のイチョウ並木が色付くと、「ああまたこの季節になったか」と思う。あとは年の瀬に向かってまっしぐら。日々過ぎゆく速度は増す。

その「ああまたこの季節になったか」という思い自体はいつも同じように抱かれる。

けれども忘れていたこの感覚、一年間を過ごしてきた感じ、寒さと心許なさはいつになく増すばかり、寒風はずいぶんと身体の奥の方を抜けてゆく。

広い場所に出て、冷たい風が抜け、そんなにも奥の方に空白が空いているのだということに気付く。埋めようもない場所の存在に気付いて愕然とする。

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