本を巡り、流れ、世相を読み、時に軸と羅針盤を得る

IMG_3420

本が自ずと醸す世相

図書館に勤務をしていると、出版される書籍の傾向から世相を読むようになります。個人の力では及ばない、作家・編集者・出版社・書店・読者が協奏するマクロの力が、大きな流れ・うねりを作り出します。

最近でいえば、マルクスの再来とまで言われているトマ・ピケティの『21世紀の資本』が流行り、多くの関連本が出ました。他にはリベラルアーツ(一般教養)の重要性を説く本が以前に比べて増えている印象です。あと、デザイン全般。デザインを専門家のものとだけにしておくのではなく、「デザインをツールとして思考する」必要性が、一般に浸透しつつあることを沢山の本が述べています。

川の流れは絶えずして

で、最近気付くのは、facebookの「いいね!」に象徴されるような「共感」に駆動されるSNS周辺のベクトル。そろそろ食傷気味なのか、逆の流れとして、「孤独を愛せ」「友達なんていらない」といったタイトルが目につきます。あるいはちょっと前まで言われていた「空気を読め」「KYだ」みたいな風潮が、逆方向を向いて「空気なんて読むな」となってみたり。

その時々でのサイクル、バイオリズム、川の流れは絶えずして。どちらかに傾けば、反動で逆に振れる。そこに自然がある。で、そんな流れの中にいてやはり大事と思うのは、どちらに振れても動じない、もっと大きな言葉、軸。生きていくうえでの羅針盤たるヒント。それは時に書物の中に書かれていることもありますが、得てして自身の体験から導き出されるのが常です。読書はそのきっかけや補完に過ぎない。生きていく上で本当に大切なことは、自身の体験からのみ紡ぎ出される。いや、それはもう当然のことでありますが、そこからでないと語り得ません。

今まで如何なる経験を経て、何を得てきたか。あるいは何を捨ててきたか。さてこれからどうしていくか。如何なる軸を持ってして、どのような羅針盤を手にこれからを歩いていくか。大丈夫、まだまだこれからです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする