姫見やる季節のうつろい

kaguyahime

随分と大きな扇子を持ったかぐや姫の視線の先は月を見ているのだろうか。扇子には半月らしき絵が描かれているが、それが月であるという確信はない。姫は少しばかり微笑んでいるようにも見えるが、月への郷愁を抱いているようにも見える。

(先日職場で開催のブックトークで紹介された『竹取物語』の挿絵より)

 

中秋の名月を過ぎて月は下弦に向かっている。スーパームーンという言葉はいつから聞くようになったのか。何かの本で、江戸とか平安の頃とかは、もっと月は大きく見えていたらしいというのを読んだ。それも最近。それは何の文章だったろう。

 

夏の太陽ギラリがいつの間にやら過ぎ去り、日差しに表情をしかめることも無くなり、どうやら蝉たちも鳴くことをやめ、高い空が面白いものだから秋は空を見上げる機会が増える。だから秋は空からやってくるのだろう。

 

一年を通しても今は本当に心地の良い季節であるに違いなく、朝の時間に余裕があれば、少しばかり家を早く出て途中日比谷公園あたりで休憩をする。こないだ水曜日の午前10時半頃日比谷公園に行くと、丁度その日は警視庁音楽隊の水曜コンサートが開催される日だったらしく、直前の練習をしていた。秋の青空陽気に公園のベンチでクラシック音楽。これから仕事だというのに、まるで自分がいなくなってしまうくらいに風景に溶け、我を忘れて眠ってしまいそうになった。眠ってしまいたかった。

 

 

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