作品それ自体はそのまま完結するわけではない

giacometti

先日訪れた国立科学博物館の恐竜の骨の数々を観ていたら、そのままジャコメッティの作品に繋がった。そうかジャコメッティは恐竜の骨からもインスピレーションを受けていたに違いない。

彼が描いた作品の数々は「骨」的と言ってもよく、人の持つ「軸」に当たるものを現前させようとしていたのだろうかと、また別の角度からの理解が深まった。

bones

心に留め置く作品は、ふとしたきっかけで別角度からの見え方が生じることがあり、作品はそれ自体で完結することはない。生涯通して出会う他作品の数々との相互作用、呼応を通して、また新たな領域に開かれていく。

日々の時折にふと思い起こされる作品から、また新たな枝葉がどこまでも伸びていく。蓄積された経験は思い出せはしないが、層を重ねて血肉としてこの身体に宿っており、世界の見え方は日々更新される。

伸びた枝葉を忘れ去った頃に落葉が始まり、いずれまもなく冬が来て、地に潜り地に返ると同時に、その人となりを形成するだろう。

2013autumn

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする