『ビニール傘』/Haruka Nakamura – Arne

Plastic-umbrella

ここ数年読んできた本の中で、今でも印象深い『断片的なものの社会学』で、その著者による初の小説集『ビニール傘』。

生きるとはこういうことなのだ、本来は。それでも生きるのだ、ということの手触り。そっけないようでいながらも深いまなざしが本書の文章には宿っている。

見事に現代を言い得ている。そしてなにかしらに寄り添いたくなる。

通勤路の行き帰りの電車内で読み進め、読み終えたが、周囲でスマホをいじる人たちのそれぞれが、個々の物語を生きており、いいことや悪いことがあったり、寂しかったりする。いくらスマホの画面を見続けてもその寂しさは失われることはない、むしろ増幅するだけかもしれない、電車に揺られながら。

この本を読み終えたときの周囲が妙に冷めて見えてちょっと怖かった。電車がひたすら孤独を運んでいた。

で、ちょうど最近知った音が、この本にとても合っている。

本に共鳴していた。

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