何もない場所がある

vacant-land

故郷に帰ると近隣には何もない場所があって、そこにはかつて何かがあったのだけれど無くなり、ただそこには何もない場所がある。

 

例えば普段都会で生活をしていて通り過ぎる道すがら、「売店舗」などとシャッターに貼り紙がしてあると、「ここって前なんだったっけ?」となる。それほど周囲を注意して見ていないということなのだが、田舎などには忽然とだだっ広い空き地があったりし、以前おそらく何かしらの建物があったなという曖昧な記憶が残ってはいるが、記憶のブランクも相当だから、まるっきり覚えていない。で、空き地はただ空き地としてあって、そこには何もない。

 

特に何も感じずに通り過ぎるのが主だが、時に妙な存在感を持つ空き地があって、かつてそこにあったであろう建物で、きっと色々な出来事があったのだろうなという夢想をすることは自由だが、それ以上に空き地の何もなさ、自動車が入ってきて駐車したりするのかもしれないが、空白の存在感が際立っている広い空間を風が通り抜けてゆき、ふと立ち止まって眺めているだけで、まるで自分がそこに居るのかどこに居るのかがわからなくなることがある。

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